5月病な日々

脚色と虚構

同居はじめました

Mさんと同居を始めた。

生まれてこのかた片田舎の戸建てである実家から住まいを移したことのない私だが、この度ついに家を出たのである。いつまでも親のすねかじり虫ではいられない。21にもなって自立していないのはどうなんだ。

などといった大層な理由があるわけではもちろんなく、諸般の事情と完全にその場のノリで決まった同居である。

事情を聞いた際、Mさんに「同棲しますか!」と言ったところ、肩パンされ「同棲って言うな!!同居って言え!!」と言われたのが印象的である。肩の痛みとともに「同性と一緒に住むことを同棲って言っちゃいけないんだなぁ」と、ダジャレのようなことを考えたものである。

とはいってもこれは一時的なもので、事情が解決したら契約解除。予定では1ヶ月半ほどで実家に戻ることとなっている。

(更に事情が出来て今すぐ契約解除になりそうではあるんだが、そうなった場合後々また同居することになりそうなので…つまりややこしいので細かい説明は省かせて頂きます)

さて、この話を聞いて驚いたのは母である。

今まで何不自由なく実家から学校に通っていたのに、4年のこの時期になって突然家を出る宣言。しかも、あろうことか私は家を出る前日に伝えたのである。

家を出る当日、私たち一家は家族揃って飲み会を開催することを予定していた。母はお酒を飲むのも好きだし、家族で揃ってどこかへ出かけることも滅多になかったのでものすごく楽しみにしていたようである。その前日に私は「明日から家出るから」と言ってのけたのである。

本当は一週間前に伝えようとしていたんだが、物忘れが激しすぎる私は、前日の夜、湯船に浸かりながら唐突に思い出すまで綺麗サッパリ忘れていた。

突如突きつけられた娘の旅立ちにショックを受けた母は、次の日の飲み会でフニャフニャになりながら「なんで?なんでいっちゃうの?」と同棲していた彼氏に捨てられた女のようなセリフを放っていた。

ちなみに父はというと、家を出て数日経ってから「最近いないけどどうしたの?」という旨のラインを寄越して来たので、そこから説明した。とんだ親不孝者である。

肝心の同居生活だが、そろそろ2週間経つだろうかといったところ。至って順風満帆である。これもひとえにMさんのおかげだといえる。

というのも、掃除洗濯料理などの家事全般ほとんどをMさんが行なっているのだ。

特にMさんの料理スキルは素晴らしい。毎朝私が起きるとテーブルに朝食が用意されているし、お弁当も作ってくれている。それだけでなく、栄養や彩りのバランスも考えられている。本当に嫁に欲しい。とてもひとつしか歳が違わないとはおもえない。

Mさんが家事担当なら、一体お前は何をしているのかとお思いだろう。

私は何もしていない。

ただただMさんに甘えているのである。めちゃくちゃすねをかじっている。生活スキルは実家の時と何も変わっていない。まるでヒから始まりモで終わる二文字である。あの細長いやつである。

Mさんの負担が大きすぎる同居ではあるが、事情が解決するまで居座ることになりそうだ。

皆さん、ヒモ生活は楽しいですよ。