5月病な日々

脚色と虚構

家族でカラオケに行った

同居を始めた件の記事内で少し触れたが、先日私たち一家は飲み会を開催した。

参加メンバーは父、母、私、妹、弟、そして特別ゲストとして母の妹夫婦とその子供である。

某居酒屋チェーン店にて開催された飲み会は、大人が全員酒好きなこともあり盛大な盛り上がりを見せた。

私は送迎係のためソフトドリンクだったんだが、母に「飲んじゃダメでしょ!」と言われてしまった。もちろん飲酒はしていない。シラフでも酔っ払いと同じテンションまでブチ上がることができるという特技が裏目に出た結果である。

さて、盛り上がりに盛り上がった私たち一行は、当然のようにカラオケへと移動することとなった。酔っ払い集団とは限界を知らないものである。次の日仕事があろうと、財布の中身が厳しかろうとそんなものは関係ない。そうして無事カラオケに入店できた我々だが、ここである事実を思い出した。

家族でカラオケに行ったことなんてない!!

他人とカラオケに行ったことがある人ならわかるかとおもうが、普段どんなに仲良しでも「初めて一緒にカラオケ」となると身構えるものなのである。

カラオケには流派がある。騒ぐ派やガチ派、曲の系統、合いの手の有無、無意識に携帯を触るかどうか、時間感覚などなど、挙げだしたらキリがない。それが世代の離れた人間ともなれば警戒は最高潮。1回目のカラオケはお互い様子見に徹することもままあるのである。

気を許しまくっている家族相手とはいえ、不安が募る。もちろん世代は離れているし、全員好んで聴く音楽はバラバラである。しかも今回はほぼカラオケ初心者であろう弟もいる。カラオケという空間は、その特殊さゆえ初心者への配慮を怠ると酷いことになるのである。

などと考えていると、誰かが曲を入れたらしくイントロが流れ始めた。曲名は「ギンギラギンにさりげなく」。マイクを握ったのは父である。

父はAメロを歌いながらおもむろに立ち上がり、後ろの少し広い空間に立った。そして、

「ギンギラギンに〜〜〜!?!?ハイ!!!!ギンギラギンギラギンギラギン!!!!!!!!」

サビである。

歌詞を全く無視して合いの手を自分で叫びながら左右に腰を振る父。私たちオーディエンスは、呆気にとられるより先に圧倒的インパクトで爆笑していた。

この父、強すぎる。そうおもった。

曲が終わるまでそのテンションを貫き通した父は、結果的に全員の緊張と警戒をぶち壊すことに成功したのである。その後は全員高めのテンションで曲を歌い、踊り、楽しい時間は過ぎて行った。

その時はおもしろ過ぎて動画を撮ったのだが、後から冷静になって見返すと、酔っ払いが暴れているだけで全くわけがわからなかった。飲み会なんてそんなもんである。さすがにここに載せるわけにはいかないので見たいという物好きは言ってください。酔っ払いが暴れる様が記録されているだけですが。